【物流担当者必見】「積替え」とは?メリット・デメリットから活用事例まで徹底解説
「配送コストを削減したい」「ドライバーの負担を減らしたい」「もっと速く荷物を届けたい」… 物流・運送業界の現場で、日々こうした課題に直面していませんか?
その解決策の一つとして注目されているのが「積替え」です。しかし、「積替え」と聞いても、具体的にどのような作業なのか、自社の業務にどう活かせるのか、よく分からないという方も多いのではないでしょうか。
この記事では、「積替え」の基本的な意味から、導入することで得られるメリット・デメリット、そして実際の活用事例までを、物流担当者の皆様が抱える疑問や課題を解消できるよう、分かりやすく徹底的に解説します。この記事を読めば、「積替え」を理解し、自社の輸配送業務を飛躍的に改善するための具体的な一歩を踏み出せるはずです。
目次
積替えとは?輸配送における基本的な概念
「配送コストを削減したい」「ドライバーの負担を減らしたい」「もっと速く荷物を届けたい」といった物流現場の課題解決策として注目されている「積替え」。ここでは、積替えの基本的な意味と、なぜ現代の輸配送においてその重要性が増しているのかを解説します。
積替えの定義と作業内容
積替えとは、ある輸送手段で運ばれてきた荷物を一時的に物流拠点(ターミナルや倉庫など)で降ろし、別の輸送手段や異なる方面へ向かう車両に積み替える一連の作業を指します。具体的には、以下のような作業が含まれます。
- 荷降ろし: 到着したトラックやコンテナから荷物を降ろす作業。
- 一時保管・仕分け: 降ろされた荷物を方面別や顧客別に分類し、一時的に保管する。
- 再積載: 仕分けされた荷物を、次の目的地へ向かう別のトラックやコンテナに積み込む。
このプロセスを通じて、積替え拠点は物流ネットワークにおける「ハブ」のような役割を果たします。複数の出発地からの荷物を集約し、効率的に各方面へ振り分けることで、一台の車両で複数の目的地に荷物を届ける「混載輸送」や、長距離輸送と短距離配送を組み合わせる「中継輸送」などが可能になります。
積替えが輸配送で重要視される背景
近年、積替えが輸配送において重要視される背景には、以下のような現代の物流課題が深く関係しています。
- インターネット通販の拡大: EC市場の急速な拡大により、多品種少量・多頻度配送のニーズが増加。これにより、効率的な集荷・配送が求められるようになりました。
- ドライバー不足と労働時間規制: 深刻化するドライバー不足に加え、労働時間規制の強化(いわゆる「2024年問題」)により、長距離運転の削減やドライバー一人あたりの配送効率向上が喫緊の課題となっています。積替えは、ドライバーの走行距離を短縮し、負担を軽減する有効な手段です。
- 燃料費の高騰: 燃料費の高騰は運送コストに直結するため、積載効率を高め、無駄な運行を削減することが求められています。
- 環境負荷低減への意識の高まり: 物流業界においても、CO2排出量削減などの環境負荷低減が強く求められています。積替えによる共同配送や積載率向上は、車両台数や走行距離の削減に繋がり、環境負荷の軽減に貢献します。
これらの背景から、積替えは単なる荷物の積み下ろし作業に留まらず、物流全体の効率化、コスト削減、そして持続可能な輸配送ネットワークを構築するための戦略的な手段として、その重要性を増しているのです。

積替え導入で得られる5つのメリット
積替えは、単に荷物を積み替えるだけの行為ではありません。戦略的に導入することで、輸配送業務全体に多岐にわたるメリットをもたらします。ここでは、積替えによって得られる主な5つのメリットについて詳しく解説します。
1. 輸配送コストの大幅な削減
積替えを導入することで、輸配送コストを大幅に削減できる可能性があります。主な要因は以下の通りです。
- 長距離輸送の直行便削減: 遠隔地への配送を全て直行便で行う場合、多くの燃料費や高速料金がかかります。積替えを活用すれば、各拠点間で効率的に荷物を集約・分散できるため、長距離輸送の直行便を減らし、燃料費や高速道路料金を節約できます。
- 積載効率の向上: 地域ごとに荷物を集約し、方面別にまとめて輸送することで、一台あたりの積載量を最大化できます。これにより、トラックの稼働台数を減らし、車両維持費や人件費の削減に繋がります。特に、複数の荷主の荷物を一括で輸送する「混載便」や、複数の企業が協力して配送を行う「共同配送」では、積替えが積載効率向上に不可欠な役割を果たします。
- 車両の大型化・小型化の最適化: 幹線輸送では大型車両で効率的に運び、最終配送では地域の特性に応じた小型車両を使用するなど、車両のサイズを最適化することで、無駄なコストを削減できます。
2. リードタイム短縮と配送効率の向上
積替えは、リードタイムの短縮と配送効率の向上にも貢献します。
- 最適なルート設計: 複数の拠点を経由する積替えは、ハブ&スポークシステムのように、荷物を一度中央拠点に集約し、そこから最適なルートで各地に配送する仕組みを構築できます。これにより、無駄な走行を減らし、全体的な配送時間を短縮します。
- 配送頻度の増加: 地域ごとの荷量を集約することで、特定のエリアへの配送頻度を増やすことが可能になります。これにより、顧客へのリードタイムを短縮し、サービスレベルの向上に繋がります。
- 拠点間輸送の効率化: 定期便として運行する拠点間輸送を確立することで、荷物の積み降ろし作業を標準化し、効率的な運用を実現できます。
3. ドライバーの負担軽減と労働環境の改善
物流業界が抱える深刻な課題の一つがドライバー不足です。積替えは、この課題解決にも貢献します。
- 長距離運転の削減: ドライバーは特定の区間のみを運行する短距離・中距離輸送を担当するようになるため、長距離運転による身体的・精神的負担が大幅に軽減されます。
- 拘束時間の短縮: 長距離運転が減ることで、運転時間だけでなく、荷待ち時間や休憩時間を含めた拘束時間全体が短縮されやすくなります。
- 日帰り運行の実現: 遠隔地への配送でも、途中の積替え拠点で荷物を引き継ぐことで、ドライバーがその日のうちに営業所に戻れる「日帰り運行」が可能になるケースが増えます。これにより、ドライバーの生活リズムが安定し、労働環境の改善に繋がります。
4. 環境負荷の低減(CO2排出量削減)
企業のサステナビリティへの取り組みが重視される中、積替えは環境負荷低減にも貢献します。
- 積載効率の向上: 空荷の車両を減らし、一台あたりの積載量を最大化することで、輸送に必要な車両台数を削減できます。
- 走行距離の最適化: 無駄な走行を減らし、最短ルートでの効率的な輸送を実現することで、燃料消費量を抑制します。
これらの結果、CO2排出量の削減に直結し、企業の環境配慮型経営を推進する上で重要な要素となります。
5. 車両・ドライバーの稼働率向上
積替えは、車両とドライバーの稼働率を最大化し、経営効率を高めます。
- 遊休時間の削減: 特定の方面への荷物が少ない場合でも、他の方面の荷物と組み合わせて積載することで、車両の遊休時間を減らせます。
- 効率的な車両運用: 拠点間で荷物をやり取りすることで、各車両が常に効率的なルートで運行できるようになり、車両の稼働率が向上します。
- ドライバーの多能工化: 特定の長距離ルートに縛られず、複数の短・中距離ルートを担当できるようになることで、ドライバーのスキルアップや柔軟な人員配置が可能となり、全体の稼働率向上に寄与します。
知っておくべき積替えのデメリットと注意点
積替えは輸配送の効率化やコスト削減に多くのメリットをもたらしますが、導入にあたってはいくつかのデメリットや注意点も存在します。これらのリスクを事前に把握し、適切な対策を講じることが、積替えを成功させるための鍵となります。
積替え拠点(ターミナル)の設置・運営コスト
積替えを導入する際には、専用の積替え拠点(ターミナル)を新規に設置するか、既存の拠点を改修する必要が生じることがあります。これには、土地や建物の購入・賃貸費用、荷役機器(フォークリフトなど)の導入費用、情報システム構築費用といった多額の初期投資が必要です。さらに、拠点の運営には、人件費、賃料、光熱費、設備の維持管理費など、継続的なランニングコストが発生します。これらのコストは、積替えによって得られるメリットを上回ってしまう可能性もあるため、導入前に詳細な費用対効果のシミュレーションと慎重な検討が不可欠です。特に、荷物量や配送頻度が少ない場合は、投資回収が困難になるリスクも考慮する必要があります。
荷物の破損・紛失リスクとその対策
積替え作業は、荷物の積み下ろしや仕分けといった工程を増やすことになります。これにより、荷物が人や機器によって直接扱われる回数が増加し、破損や紛失のリスクが高まります。特に、精密機器や高価な商品、壊れやすい荷物の場合には、このリスクはより深刻になります。このリスクを軽減するためには、まず荷物の梱包を強化することが重要です。また、作業員への徹底した教育・研修を行い、荷扱いのルールを厳守させること、さらにデジタルツールを活用した荷物の追跡システムや監視カメラの導入も有効な対策となります。万が一の事態に備え、適切な保険に加入しておくことも考慮すべきでしょう。
作業員の確保と教育の課題
積替え拠点では、荷物の積み下ろし、仕分け、保管、再積載といった一連の作業を担う専門の作業員が必要です。しかし、物流業界全体で人手不足が深刻化する中、これらの作業員を安定的に確保することは容易ではありません。また、単に作業員を確保するだけでなく、安全かつ効率的に作業を行うための専門知識やスキルを習得させるための教育・研修も不可欠です。荷物の特性に応じた適切な取り扱い方、安全基準の遵守、効率的な仕分け方法などを習得させるには時間とコストがかかります。熟練した作業員が不足すると、作業効率の低下や荷物破損リスクの増加に直結するため、計画的な人材育成が求められます。
拠点での滞留によるリードタイム増加のリスク
積替えは、荷物を一度拠点に集約し、仕分け後に再配送するプロセスを伴います。この拠点での作業がスムーズに行われない場合、荷物が滞留し、かえって全体のリードタイムが長くなってしまうリスクがあります。特に、突発的な荷物量の増加、作業員の不足、システムトラブル、悪天候などにより、拠点の処理能力を超過すると、遅延が発生しやすくなります。このリスクを回避するためには、拠点の適切な規模設定、効率的なレイアウト設計、高度な情報システムによる荷物管理、そして緊急時の対応計画など、緻密な管理体制を構築することが重要です。拠点の稼働状況をリアルタイムで把握し、ボトルネックを早期に解消する仕組みも求められます。
システム連携の重要性
積替えを効率的かつ正確に運用するためには、情報システムの活用と連携が不可欠です。具体的には、倉庫管理システム(WMS)による拠点内の荷物管理、輸送管理システム(TMS)による車両の動態管理や配送ルート最適化、そしてこれらのシステム間での情報連携が求められます。システム連携が不十分だと、荷物の所在が不明になったり、誤配送が発生したり、作業指示が遅れたりする原因となります。これにより、作業効率が低下するだけでなく、顧客満足度の低下にも繋がりかねません。導入にあたっては、既存システムとの互換性や、シームレスなデータ連携が可能なシステムを選定し、情報の一元管理と可視化を実現することが極めて重要です。
積替えを効果的に活用するための方法
積替えを自社の輸配送業務に導入する際、その方法は一つではありません。企業の規模、扱う貨物の種類、既存の物流ネットワークなどによって最適なアプローチは異なります。ここでは、積替えを効果的に活用するための具体的な方法をいくつかご紹介します。
自社での積替え拠点の設置と運営
自社で積替え拠点を設置し運営することは、物流全体をコントロールしたい企業にとって有効な選択肢です。この方法では、自社の配送網や貨物の特性に合わせて最適な積替え作業を実現できます。
拠点を設置する際には、立地条件(主要幹線道路へのアクセス、配送エリアの中心性など)、必要な敷地面積、建物構造(荷物の種類に応じた設備、フォークリフトなどの搬送機器、倉庫設備)を慎重に検討する必要があります。また、積替え作業を効率的に行うための人員配置や、作業員の教育体制も重要です。自社で運営することで、外部委託では難しい柔軟な対応や、ノウハウの蓄積が可能になりますが、初期投資やランニングコスト、管理工数がかかる点を考慮する必要があります。
外部の物流事業者(3PL)との連携
積替え業務を専門とする外部の物流事業者、特に3PL(Third Party Logistics)と連携することは、自社で拠点を持つ負担を軽減しつつ、積替えのメリットを享受できる効果的な方法です。3PL事業者は、物流に関する専門知識とインフラ、ノウハウを持っているため、効率的な積替え作業を代行してくれます。
この方法のメリットは、初期投資を抑えられること、専門業者による高品質なサービスを受けられること、そして自社リソースをコア業務に集中できる点です。デメリットとしては、自社のコントロールが及ばなくなる部分があることや、委託費用が発生することです。3PL事業者を選定する際は、実績、対応エリア、システム連携の可否、コスト、そして信頼性を総合的に評価することが重要です。
共同配送・混載便における積替えの役割
共同配送や混載便は、複数の荷主の貨物をまとめて輸送することで、車両の積載効率を高め、コスト削減や環境負荷低減を図る手法です。積替えは、この共同配送・混載便において中心的な役割を果たします。
具体的には、各荷主から集荷された貨物が一時的に積替え拠点に集められ、そこで方面別に仕分け・積み替えが行われます。これにより、一台の車両に複数の荷主の貨物を積載し、効率的なルートで配送することが可能になります。積替えによって、車両の空荷運行が減少し、燃料費の削減やCO2排出量の削減に直結します。また、ドライバーの配送ルートも最適化されるため、労働時間の短縮にも貢献します。共同配送・混載便の利用は、特に中小企業にとって、自社単独では難しい効率的な輸配送を実現する有効な手段となります。

積替え導入を成功させるためのポイント
積替えは、適切に導入・運用することで大きな効果を発揮しますが、計画なしに進めるとかえって非効率になる可能性もあります。ここでは、積替え導入を成功させるための重要なポイントを解説します。
現状分析と目標設定の明確化
積替え導入を成功させるためには、まず自社の現状を正確に把握し、具体的な目標を設定することが不可欠です。現在の輸配送における課題(高コスト、リードタイムの長さ、ドライバーの負担など)を明確にし、積替えによって何をどれだけ改善したいのかを数値で示しましょう。例えば、「輸送コストを〇%削減する」「リードタイムを〇日短縮する」「ドライバーの長距離運転時間を〇時間削減する」といった具体的な目標を設定することで、導入後の効果測定もしやすくなります。この初期段階での明確な目標設定が、プロジェクト全体の方向性を決定づける重要な要素となります。
適切なパートナー選定と連携
積替え導入において、自社だけで全てを完結させるのは難しい場合があります。特に、積替え拠点の運営や高度なシステム導入には専門知識が必要です。そのため、信頼できる3PL事業者やITベンダーといった外部パートナーの選定が非常に重要になります。パートナー選定の際には、実績や専門性はもちろんのこと、自社の課題を深く理解し、長期的な視点で協力関係を築けるかを重視しましょう。また、円滑なコミュニケーション体制を構築し、目標や情報を密に共有することで、連携がスムーズに進み、導入効果を最大化できます。
ITツールの活用と情報共有体制の確立
積替えシステムを効率的に運用するためには、ITツールの活用が欠かせません。倉庫管理システム(WMS)や輸配送管理システム(TMS)などを導入することで、荷物の入出庫状況、在庫状況、配送ルート、車両位置などをリアルタイムで把握し、最適な積替え計画を立案・実行することが可能になります。また、積替え拠点、ドライバー、顧客、関係部署間で情報をタイムリーに共有できる体制を確立することも重要です。情報が滞りなく流れることで、トラブル発生時にも迅速に対応でき、全体のリードタイムを短縮し、顧客満足度向上にも繋がります。
リスク管理と柔軟な運用体制
積替えを導入する際には、いくつかのリスクも考慮しておく必要があります。例えば、積替え拠点での荷物の破損・紛失、作業員のミスによるリードタイムの遅延などが挙げられます。これらのリスクを事前に想定し、対策を講じておくことが重要です。具体的には、適切な梱包資材の利用、作業員の教育徹底、保険への加入、予備車両の確保などが考えられます。また、予期せぬトラブルや需要変動に対応できるよう、柔軟な運用体制を構築しておくことも大切です。緊急時の代替ルートや対応手順を事前に定め、状況に応じて迅速に判断・実行できる体制を整えましょう。
まとめ:積替えで実現する持続可能な輸配送
この記事では、「積替え」の基本的な概念から、そのメリット・デメリット、具体的な活用方法、そして関連用語との違いまでを詳しく解説しました。積替えは、単に荷物を積み替える作業にとどまらず、現代の複雑な物流課題を解決し、持続可能な輸配送を実現するための強力な手段であることがご理解いただけたかと思います。
積替えを導入することで、輸配送コストの削減、リードタイムの短縮、ドライバーの負担軽減、そして環境負荷の低減といった多岐にわたるメリットを享受できます。これらは、企業が競争力を高め、顧客満足度を向上させる上で不可欠な要素です。
もちろん、積替え拠点の設置・運営コストや荷物の破損リスクなど、注意すべき点も存在します。しかし、これらは適切な計画と対策、そしてITツールの活用や外部事業者との連携によって、十分に管理・克服することが可能です。
物流の最適化は一朝一夕に達成できるものではありませんが、積替えはその実現に向けた重要な一歩となります。ぜひこの記事で得た知識を参考に、貴社の輸配送業務に積替えの導入を検討し、より効率的で持続可能な物流体制の構築を目指してください。
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